聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)
当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害の診断と支援の手引きの開発 AMED
聴覚情報処理障害の症状を示す小児の学習支援のための検査法および補聴技術の開発 科研費

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はじめに

代表者ご挨拶

皆さま、こんにちは。AMED研究、『当事者ニーズに基づいた聴覚情報処置障害診断と支援の手引きの開発』の公式ホームページに関心を持って頂き、本当にありがとうございます。私は、研究代表を務める大阪公立大学耳鼻咽喉科の阪本浩一(さかもと ひろかず)と申します。
聴覚情報処理障害(LiD/APD)とは、純音聴力検査で正常であるにも関わらず、うるさい所や、複数人数の会話、電話、接客、授業などの場面で聞き取りの困難を示す状態を指す言葉です。その原因は主として、中枢(脳)の聴覚情報の処理、認知、注意の問題によるとされ、日本において、診断基準などは未だ定まっておりません。小児から成人まで多くの当事者がおられ、その多くは、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けても正常範囲で大丈夫と言われ、困難を感じているにも関わらず、適切な診断、支援に繋げることができない状態です。
令和3年度、このような状態に対して、国の医療分野の調査研究機関である日本医療研究開発機構(AMED)が、聴覚情報処理障害の実態把握と検査・診断法の確立及び介入・支援法の開発の公募を行い、私たちの研究班の『当事者ニーズに基づいた聴覚情報処置障害診断と支援の手引きの開発』が採択されました。(令和3年度 「障害者対策総合研究開発事業」(1次公募)の採択課題について

私たちは、この聞こえているにも聞き取れない困難をもつ当事者の方々のニーズに応じたい診断と支援の手引きの作成を目指します。私たちは、このような状態を『聞き取り困難症(Listening difficulties:LiD)/聴覚情報処理障害(APD)』と広く捉えて、調査研究を行っています。研究班には、分担研究者として、LiD/APD研究を長年行ってこられた、国際医療大学の小渕千絵先生、東京医療センターの加我君孝先生、東北大学の川瀬哲明先生をはじめ、国内で多くのLiD/APDの臨床経験を持つ東京済生会中央病院の岡本秀康先生、岡山大学の片岡祐子先生、九州大学の土橋奈々先生がおられます。また、小児の発達障害の専門家である藍野大学の若宮英司先生、大阪公立大学の瀬戸俊之先生、LiD/APD検査を小渕先生と開発された埼玉医科大学の坂本圭先生、公衆衛生の専門家である大阪教育大学の阪本尚正先生、そして統計の専門家である大阪公立大学の新谷歩先生を加えた、耳鼻科医6名、小児科医2名、言語聴覚士2名、統計学者1名、公衆衛生学者1名の12名の体制で調査研究を実施しております。そして、当事者の代表として、近畿LiD/APD当事者会の渡邉歓さんに協力していただいております。

私どもは、あくまで、当事者ニーズに基づいたLiD/APDの診断と支援に関する研究をおこなって参ります。成果は当ホームページを通じて公開して参ります。このホームページが当事者の方々と私たちをつなげる場になることを希望しております。

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