聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)
当事者ニーズに基づいた聴覚情報処理障害の診断と支援の手引きの開発 AMED
聴覚情報処理障害の症状を示す小児の学習支援のための検査法および補聴技術の開発 科研費

当事者の方へ

対処法-トレーニングの可能性

聞き取り力の向上をはかろう

 聞き取りのトレーニングをする事で『聞いて理解する』力を伸ばせる可能性があります。例えば、癖の強い歌い方の曲を歌詞と見比べながら繰り返し聞くうちに、いつの間にか何と言っているのか理解しているようなものです。
 耳からの情報理解に注力する以外にも、自分自身の語彙力を上げていくことも有効だと考えられます。知っている英単語が多い人ほどヒアリング力が高いように、様々な言葉を知っていると話を聞きながら推測する力も向上します。耳で様々な音を聞き、語彙を増やし、推測力と言語能力を上げましょう。
※ストレスになるトレーニングは禁物です。

日常で出来るトレーニング

  • 言葉ゲーム
    「しりとり」や「伝言ゲーム」など、言葉遊びを楽しみながら語彙力を高める事につながります。かるたや反対言葉を集めたカードなど、いろいろ試してみましょう。
  • 読み聞かせ
    幼児はもちろん、1人で読書ができるようになっても楽しんでいるうちは読み聞かせをしましょう。質問をしたり、「面白かったね」「どうしてだろう」と感想を言い合うのも、集中して言葉を聞く習慣につながるかもしれません。
  • 新聞やニュースを読む
    特に仕事に関する情報は積極的に取り入れてみましょう。専門用語や時事的なことは、知らない単語を減らして話の理解力アップに繋がります。
  • ラジオや朗読CDを聞く
    ストーリーのある物語は集中しやすく、落ち着いた番組は「聞き取る」という意識をしやすいものです。疲れないように時間を調整しながら楽しみましょう。
  • 歌詞を書きとる
    好きな曲の歌詞を文字起こししましょう。繰り返し聞いて出来るだけ最後まで書き取り、最後に答え合わせをします。歌詞の聞き間違いは誰にでもあることなので気にする必要がなく、楽しんで行えます。

心身面での健康

自然のリズムに合わせる生活

 一言でLiD/APDといっても、人によって様々な違いがあります。まずは自分自身の特徴として、得意なこと・不得意なことをセットで把握することが重要です。
 体調の悪い日は聞き取りづらくなりやすい、という経験もよく聞きますが、特に睡眠不足は脳の「覚醒水準」が下がるため聞き取る力が低下するといわれています。睡眠負債をためないように、生活リズムを一定にすることも最善策です。季節の変わり目や気候の変化によって自律神経に影響を及ぼすこともあります。自分に合う対処法を選択し、不調の時には念のために受診することも検討しましょう。

自分の「個性」を受け入れて前向きに生きる

 心がけたいのは、「自分自身を責めて追い詰めない」ことです。ネガティブな気持ちでいると精神的なダメージが積み重なっていき、自分はダメな人間だと思い込んでマイナスのスパイラルに陥る方も少なくありません。無理をせず周囲にサポートを求めたり、積極的にコミュニケーションをとって前向きに会話をしてみませんか。LiD/APDには現在万能薬はありませんが、軽減に向けて出来ることから行動するのは改善の第一歩になります。