LiD/APDは聴覚に異常がないため、周囲への伝え方に悩む人も少なくありません。しかし、学校や職場で支障なく生活するためには周りの人の配慮やサポートが必要です。具体的に伝えることによって、身近な人に理解してもらい、精神的に寄り添ってもらうことも大切です。また、相手との関係によってどのように伝えるかも変わってきます。次の内容を参考に、それぞれでできる工夫を整理してみましょう。
聴力検査では異常が無く、音や声は聞こえますが状況によって音声を言葉として聞き取れないことがあります。この症状は聴覚情報処理障害/APD(Auditory Processing Disorder)と呼ばれます。雑音がある環境や、複数の人が同時に話をするときに聞き取れないことが多いです。これまではあまり周知されていませんでしたが、近年この症状を持っている人は少なくないことがわかってきました。
ご自身の症状に当てはめつつ、上記の文章を参考に伝えるのもよいでしょう。
高等学校は義務教育ではないため、進学先も自由に選択可能です。
この選択の余地は、聞き取り困難の特性を持つ方々にとって、かえって悩みの種となることもあるのではないでしょうか。
このページでは、近畿APD当事者会の皆様に全面的にご協力いただいた『高校進学の選択肢-それぞれのメリット・デメリット-』についてのアンケート回答をご紹介いたします。
週に5~6日、平日昼間の時間帯に授業を設ける学校を指す。3年以上の在籍と単位取得で卒業可能。
メリット | デメリット |
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昼間(午前・午後)と夜間の3部制であり学ぶ時間は選択可能。一般的に在籍期間は4年間必要。
メリット | デメリット |
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登校日数を選択可能で一般的に単位制が導入されている。卒業までの期限が無く、自宅学習のため計画的な勉強進行が必要となる。
メリット | デメリット |
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2016年4月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(略称「障害者差別解消法」)において、障害者障壁をとりのぞくために合理的な配慮をすることが民間企業の努力義務として定められました。その後、2021年5月の法改正によって今後は法的義務として求められることとなり、2024年4月1日からは民間事業者においても合理的配慮が法的義務化される改正障害者差別解消法が施行されます。
合理的配慮とは、障害者手帳を持っている人に限らず日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人すべてに適応されます。役所や事業所は配慮を求める意思表明を受けた場合、過度な負担になりすぎない範囲で社会的バリアを取り除くための配慮を行うことが求められます。この障害者差別解消法では、障害のある人・ない人のお互いが歩み寄り、理解し合う共生社会の実現を目指しています。